観護措置後~少年審判に向けての活動

ア 少年は鑑別所に送致される

観護措置が決定された場合,その期間は原則2週間とされていますが,「特に継続の必要があるとき」には1回に限り更新できます。実際には,4週間の観護措置が取られると考えてよいでしょう。観護措置が取られると,少年は鑑別所に送致され,鑑別技官との面接や各種の検査による資質鑑別と,鑑別所内での行動観察が行われます。

観護措置決定がされたとしても,その後の事情の変化によっては観護措置の必要性が無くなったとして観護措置が取り消される場合もありますし,入学試験や定期試験,親族の葬儀等に際して,一時的な観護措置決定の取り消しが認められる場合もあります。よって,観護措置の期間中であっても,積極的に観護措置の取消しを求めていきます。

イ 事件記録の確認

事件が家裁に送致された後は,付添人は家庭裁判所で記録を閲覧することができます。少年事件の記録には,(1)捜査関係の書類がつづられた事件記録と,(2)少年に関する家裁調査官の調査結果等がつづられた社会記録があります。(1)についてはコピーを取ることができますので,記録を精査し,事実関係を正確に把握します。(2)についてはコピーを取ることはできませんが,少年の要保護性に関する重要な情報が記載されているので,精査した上で重要部分はメモを取り,十分な検討を行います。

ウ 調査官との面会

少年事件においては,家庭裁判所の調査官が大きな役割を果たします。調査官は,少年に関する社会調査を行い,要保護性判断の基礎となる資料を収集し,少年の処遇に関する意見を述べることになります。裁判官は調査官の意見を重視するため,調査官と問題意識を共有することはとても大切です。

調査官から指摘された少年の問題点を付添人の働きかけで解消したり,調査官が気づいていない視点を付添人から提供したり,付添人活動の進捗状況を適宜報告したり,場合によっては調査官が誤解している事実を訂正したりと,調査官との意見交換は審判前の活動として極めて重要です。

そして,調査官が最終的な処遇意見を固める前に付添人の意見を伝え,調査官の処遇意見に付添人の意見が反映されるように働きかけることになります。

エ 環境調整活動と意見書作成

少年に少年院送致等の重い処分が下ることを避けるために,家裁送致後も引き続き少年の要保護性を解消させるための活動(環境調整活動)を継続します。家裁送致後は,調査官の問題意識も踏まえた上で活動することになります。

具体的には,家庭に少年の居場所を作り,家族と共に更生できる環境づくりのために保護者と面会を重ねたり,学校や職場等,少年が社会内で更生できるための居場所を模索したり,被害者との示談交渉を進めたり,不良交友関係を解消するための方法を検討したりと,様々な活動を行います。そして,それらの活動を証拠化して審判に出せる形にしておきます。

その上で,環境調整活動を前提に,少年の要保護性が解消されていった事実を意見書の形で裁判官に伝えます。